インドを揺るがす一大改革 インド全土に消費税が施行されます

2017年6月22日     1 Comment     Posted under: インドが大好き!!, 面白インドニュース

■7月1日から新しい税金、GSTが始まる

前回のメルマガ「取引先のインド人達のやる気がなくなって」と書いたのですが…
実は、彼らのやる気がなくなった原因は暑いだけではありませんでした。

今、インド人商人たちの関心は、目先の注文ではなく、新たに導入される消費税なのだそうです。

真相が判明したのはつい先日、インドの取引先と話していたときのことです。

「あのね、7月頭にインドに行こうかと考えているんだけど…」
「来るのは7月の上旬? 中旬? 下旬?」
「多分、中旬か下旬かな」
「そう…じゃいいわね。 7月の上旬は来ちゃダメよ。」

との事。理由を聞いてみると…「新しくGSTって言う税金が導入されるのよ」との事。
なんでも、インド独立以来、最大級の税制改革なのだそうですが…

今回は、インドの消費税導入が、どの様な物なのか、そして私たちにどう影響を与えるかを見ていきたいと思います。

■役人との交渉に6割の時間を取られるトラックドライバー

税制というものは私達が思っている以上に、私達の行動や社会に大きな影響を与えるもの。例えば、20年前のバブルの崩壊にはもちろん様々な要因がありますが、土地税制の変更もその理由の一つになっています。

バブルの崩壊とその後の失われた20年からも判るように、「税金をどのように取っていくのか」はその国のあり方や、その国の将来にも大きく影響を与える、とっても大切なことなのです。

さて。
今日の話はインドの税制についてです。

今まで、インドの税制は、非常に複雑なものでした、
各州ごとに物品税や、所得税があり、その税率も違ければ、税金の内容も違ったのです。

例えばこのKINGFISHERビールですが、ムンバイがあるマハラシュトラで製造されていますが、マハラシュトラで税金が支払われていないので、マハラシュトラでの販売は不可と書かれています。ハリヤナ州だけで販売できます。

他にも、荷物をトラックでデリーからヒマーチャル・プラデーシュに持ってこようとすると、州の境目のチェックポストで、荷物の内容を申告し、時によっては税金を支払わなければいけません。

税金を支払うだけだったらまだしも、役人が賄賂欲しさに、小さい書類の不備を見つけて、何日も許可を出さないということもよくあることでした。

日本に例えると、「東京から神奈川に荷物を移動すると税金がかかる」と言う状況です。「違う県に荷物を持っていくと税金を取られる」って、僕らにとっては考えられない様な事態ではないでしょうか?

「それじゃ何も出来ないじゃないか」「そんな馬鹿なことやってられるか」と言うのが僕らの意見だと思いますが、今、この瞬間にもインドではそのような事態が起こっています。

インドの新聞ndtv.comによると…

インドのトラックドライバーは、平均して一日に280Km走っている。これは世界平均の400Kmよりも低く、米国のトラックドライバーの平均の700Kmよりも遥かに低い数字だ。道路状態が悪いことも、トラックがボロいことも理由だが、古い法律に縛られている部分もある。

インドのトラックドライバーは、仕事時間のうちの6割をチェックポストとの交渉や、料金所で使っていると言われている。インド全土には650程度のチェックポストがあり、11種類の道路交通に関する法律がある。

トラックの遅延は生産ロスに繋がる。もし、トラックの平均走行距離が20%上がれば、トラック業界の生産性は12%上がるだろう。

インドのトラックが一日に280Kmしか走れない理由の一つが、各州毎のチェックポストで税金を払うために時間がかかるから。

税金を支払うために、国全体の成長が阻害されているって本末転倒な話ですよね。
それを建国以来、ずっと続けてきたのが、インドの姿なのです。

■インドには様々な税金がある

旅行しているだけではなかなか気が付きませんが、インドには本当に様々な、多種多様な税金があります。

これはインドのバーガーキングのレシートですが…Service + Cess 6.0% Tax、VAT 25% TAX、VAT 13.5% TAXと3種類の税金がかかり、185ルピーの購入に対して、税金が41.99ルピーかかってます。単純に計算すると22%の税金ですが、レシートの税率を全部足すと44.5%の税金になります。これ、どういう仕組みになっているのでしょう…うーーん。

インドの税金の一例としては…

消費税  : 州内で物品を売買する時にかかる税金
サービス税: 中央政府によってかけられている税金
入域税  :ある州から他の州に移動するときにかかる税金
中央物品税: モノの生産者に対してかかる税金
関税   : 海外から物品を持ってくる時にかかる税金
専門税  : インド政府によって設けられている税金で、医者や会計士など特別な技能を持っている人にかかる税金
遊興税  : アミューズメントパークや映画館でかかる税金
奢侈税  : 高級ホテルや高級時計、車などにかかる税金

などがあるそうですよ。この他にも本当に多種多様な税金があります。

■新しい税金GSTが導入される見通し

昨年の11月に古い高額紙幣を使えなくした紙幣廃止など、今、インドは汚職がない、効率的な国家への道を歩もうとしています。不正蓄財問題を紙幣の廃止で一気に解決したと思ったら、次は税制の変更に手を付けてきました。

新しい税金は日本の消費税と同じようなもので、GST(goods and services tax)と呼ばれます。今までの税金の多くが廃止され、GST(goods and services tax)に一本化されます。

複雑な税金が廃止され、GSTに一本化されますので、税金を払う際の事務手続きが圧倒的に楽になります。これはインド政府にとっても、企業にとってもメリットです、そしてこのGSTは州ごとではなく、インド全土で同様に施行されますので、各州ごとに違う税金を払う必要がなくなるのです。

■物品毎に違う税率

税制が一本化されて、企業にとっては大変便利になりますが、物品毎に違う税率が適用される模様です。税率は5%、12%、18%、28%の4種類。

旅行する際には、言われた金額を支払うだけなので、税率の事は考えなくてもいいですが…同じ食物でも、コーヒーは5%で、牛乳は0%なのですね。

税なし(0%)の物品 肉、魚、卵、ミルク、バターミルク、カード、ナチュラルハニー、新鮮な果物や野菜、小麦粉、穀物など。
5% 食用油、 砂糖、 香辛料、紅茶、コーヒー、石炭、インドスイーツ、薬
12% コンピュータ、加工食品
18% 髪油、歯磨き粉、石鹸
28% 小型車、エアコンや冷蔵庫などの耐久消費財、オートバイ

■今後、インドはどのようになるのか

インドは汚職大国、脱税大国として知られて来ました。道で警官に停められれば賄賂を要求されましたし、賄賂は人間関係の潤滑油として機能していました。

脱税するのはインドでは普通のことでした。数年前まで、税金を払っていない取引の大きさは、インド政府が把握している3倍の金額に達していたと言われています。

でも、インドは今、自分たちの力でどんどん変わろうとしています。賄賂や不正蓄財と言った今までの暗部をなんとかして変えようと、頑張っています。

GSTが導入された後のインドはどうなるのか、5年後、10年後のインドはどうなるのでしょうか。きっと、どんどん、インドなりの方法で先進国に近くなってくるんだろうな…と思うのです。

20年後のインドはきっと、今のインドと全く違う姿をしているのでしょうけれども、インドの自由さ、寛容さはそのまま残る…といいなぁ。どうなるのかなぁ。まだまだインドから目を離せなそうです。

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  • カルナタカ州からタミルナドゥ州に車で抜ける時に、検問があり、厳しく荷物をチェックされました。
    アンドラ・プラデシュ州からタミルナドゥ州に抜ける裏道をバイクで通ったら、私服の警官がバイクで追いかけてきて、荷物をチェックされました。やはり、お酒を密輸していると疑われるようです。でも、私が日本人だとわかると、態度が一変。「よく来たな!」と握手を求められます。

    でも、一度だけ、イスラム聖戦士みたいな格好をした不良警官にライフルを突きつけられて、50ルピー集られたことがあります。夜明け前でした。有り金全部じゃないところがイイ。

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