2015最新インドレポート インドの変わった所、変わってない所

一番最初にインドに渡航したのが1994年ですから、インドに通いはじめて20年になります。まぁ、よく飽きないよな…と自分でも驚きますが、それはインドがいつもビックリ!に満ちているからだと思います。さて、インドパパの目から見たここ最近のインドをレポートしたいと思います。

■インド人の陽気さと親切は昔のまま!!
インドは人間の森と言われますが、インド旅行をしてインドの人々と出会わない日は一日もありません。インド人は基本的にとっても陽気!! そして無駄に親切!! 親切の中に「こいつからちょっと稼ごう」なんて言う意思が見え隠れする時がありますが、それがあっという間に見抜けてしまうのも面白いところ。

御存知の通り、悲しいレイプ事件なども頻発していますので、有名な観光地ではなかなかインド人の親切を真に受けることは出来ないのですが…そこは自分自身の人間力が試される所ですよね。良い人も悪い人も居ますし、良い人が9割以上ですが、良い人は旅行者にわざわざ声をかけてきたりしません。

僕がインド好きだなぁ…と思う理由の一つが彼らの人間としての面白さでしょうか。一緒にいるとなんだか楽しくなる、そんな不思議な人達だと思います。その基本的な部分は20年前から全く変わっていません。



■宗教が大切なのは昔のまま
僕ら日本人にとって宗教はそんなに重要ではありませんが、インド人にとって宗教は命、お金と並ぶ大切なもの。昨今の経済成長で宗教への情熱は薄れたのかな…とおもいきや、そんな事はありません。彼らは稼いだお金を大きなガネーシャ像を買うために使ったり、寺院に寄進したりしています。今も昔も宗教は変わることのないインド人の心の支柱です



■ハンディクラフト製品は富裕層のためのものに変化中

昔は誰でも自分たちで作ったハンディクラフト製品を使っていたものですが…。今、一番安いのは大量生産された工業製品です。例えばサリーを例に取ると、一番安いのがポリエステル製で、手織りのコットン製やタッサーシルク製品は違いのわかる富裕層向けの製品になってきています。
僕達がお願いしているウッドブロックプリント製品や、インドの絣織りなども徐々に高級品へと位置づけが移りつつあります。



■物価がガンガン上がってる!
全般的に全ての物の値段が毎年ちょっとずつ上がっています。一番上がっているのはオートリクシャの値段で、10年前の3倍は値上がりした気がします。楽器の値段もすごい勢いで上がっていて、10年前の2.5倍位になっているでしょうか。品質の良い楽器の値段は日本と変わりません。

宿の値段も10年前の倍くらいにはなりました。でも、列車の値段はずっと据え置きでほぼ10年前のまま。これは政策によるものでしょうね。

■年々、人々がリッチになってきている
さらっとインドを旅行すると物価の安い汚い国と思いますが…インドはなんと日本を抜いて世界で3番目にビリオネアがいる国でもあります。平均的な日本人よりもお金持ちの人はたくさん居ます。でも町の外れで縄文時代と同じ生活をしている人たちも数多く居ます。お金持ちから貧乏人まで非常に幅広い人々がいるのがインドの姿です。

とは言うものの、インドを訪問する度にインド人がリッチになってきているのも事実。特に街に住んでいる人達に裕福な人達が増えています。会社に勤めてマンションに住み、軽自動車を持ち、週に何回かは家族で外食する。そんな中流層が年々大きくなっているのを感じます。



■列車の値段はほぼ10年前のまま
これは政策によるものでしょう。インドのインフレレートは年8%。5年もすると物価が倍になる勢いなので、列車の値段だけ変わらないのは納得がいきません。でも、旅行者にとっては嬉しい事ですよね。デリーからバナラシまで寝台を利用して300ルピー(600円)以下。とっても旅行しやすいです。



■道路の整備が進んでいる
20年前にインドに来た時は高速道路なんて影も形もありませんでしたが…今、インドではものすごい勢いで道路の整備が進められています。全国を高速道路網が結ぶのも時間の問題で、整備が遅れがちな地方の幹線道路も結構綺麗に舗装されています。舗装の進み具合は州によって違い、モディ首相のお膝元のグジャラート州では非常に良く道路が整備されているのに対し、バラナシがあるウッタールプラディーシュ州では道路はデコボコのままです。


■ガラケーからスマホへの以降が進みまくり
おしゃべりが大好きなインド人。本当に彼らは喋るのが大好きです。そんな彼らの必須ツールが携帯ですが…2000年台にあっという間にインド人が携帯を持ちはじめるのを見てビックリしましたが、ここ数年であっという間にスマホに変わりました。多くの人がスマホを持ち、楽しそうに使っています。

彼らの使っているスマホの値段は最安値で5000ルピー(10000円)から。日本のものに比べると安い感じがしますが、ちょっと厚みがあり、カメラのクオリティが悪く、画面が暗かったリ…ああ、なるほどね! 安いのには理由があるよね、と納得です。

富裕層はiPhoneを使っていますが、一般の人はアンドロイド携帯を使っています。WindowsPhoneも頑張っていて、Nokia製のWindowsPhoneが8000ルピー(16000円)くらいで売られています。


■デリーの大気汚染がヤバい
デリーの大気汚染がヤバいです。正直、危険レベルです、昨年世界で最悪のPM2.5濃度を記録したそうです。デリーの空は白く、星が見えません。青空がありません。3日も居ると徐々に肺が痛くなってきます。旅行先としてデリーは全くお勧めできません。僕達、ティラキタ買い付け班も出来ることならデリーには行きたくないのですが…

とは言うものの、デリーを一歩離れれば空気は普通です。田舎に行けば青空が広がり、とっても気持ちいいです。インドは田舎が素晴らしいです!! 観光地ではない田舎はもっと素晴らしいです!! インドに行く際にはぜひ、旅行先にマナリやゴア、ラジャスタンの村や砂漠を加えてくださいね。


■ドラえもんが大人気!!
インドでは日本のアニメが大人気。その中でも一番の人気を誇るのがドラえもんです。ドラえもんともう一個のインド製のアニメが人気を二分しているそう。忍者ハットリくんもよく見られているそうです。

だから町にはドラえもんのパチ物がいっぱい!! インド人なりの改良を加えたオリジナルドラえもんがそこら中に出現しています。


■インド中が豚インフルエンザに怯えてる

今年の冬は、豚インフルエンザが猛威を振るっています。流行の中心地であるジャイプールでは今までに500人が亡くなったそうで、デリーでも20人ほどが亡くなっています。まさに殺人インインフルエンザ。人々は人混みに行くのを怖がり、インドでは大変珍しいことですが、口元に布を当てたり、マスクをしていたりする人の姿もあります。

「感染すると3日で死ぬんだよ!!」と、インフルエンザを誰もが怖がっています。全国的にインフルエンザの薬が不足していますので、もし、流行期間中にインドに行くときは万が一のためにタミフルやリレンザなどの特効薬を持って行くといいと思います。

こういう時の常として、民間療法が流行するのはどの国も一緒。僕の手元に届いたインフルエンザの予防レシピは…

Kapur(Camphor)とカルダモンを粉末状にしてミックス。ハンカチに包み、2?3時間毎に香りを吸入する。これで豚インフルエンザのウィルスを殺すことが出来ますとの事。レシピの内容がなんともインド人らしく、笑ってしまいますが、彼らは真剣です。



■日本車、韓国車等の新しい車がどんどん増えてる
年々、トヨタや現代などの新しい車が増えています。2000年前半ころはスズキのインド合弁のマルチ・スズキの小型車をよく見かけましたが、ここ最近は小型車は中流層のための車、トヨタは富裕層向け等といった所得に応じた住み分けが出現し始めています。

以前よく見かけた、インドの国民車アンバサダーは生産が停止され、官公庁やタクシーくらいでしか使われていません。

車の中でのよくある会話は…

「お前、日本ではどの車乗ってるんだ?」
「トヨタのだけど」
「おお! スゲえな!! 高級車じゃないか。 幾らするんだ?」

てな感じで、どんな車乗っていて、いくら位するのか、とっても興味があるようです。



■電気で動くオートリクシャが出現したよ
インドの乗り物オートリクシャは時代によって変化し続けています。20年前はガソリンで動くオートリクシャが主流でした。10年位前により排出ガスの少ない天然ガスの物が普及したなと思ったら、ここ最近は電気で動くオートリクシャに変わってきています。この電気で動くオートリクシャ、馬力はないのですが坂のないインドではそれでも問題ないのでしょう。

■インドもレビューの時代に
楽天や食べログなどではレビューがとっても重要で、レビューの内容と数がレストランの生死を決める時代になってきていますが…インドでも状況は完全に一緒です。

ホテル業界であればAgoda.com、hotels.com、そして一番重要視されているのがtripadviser.comのレビュー数です。僕も含めてやっぱりレビューの多くて良いレビューのついているところから買おうとしますものね

だからかどうか判りませんが…レストランやホテルで僕らが受けるサービスは10年前よりもしつこくなった気がします。インド人にとっては普通でも、僕らにとっては過剰なサービス精神が発揮されるのです。

「どうだ、満足したか?」
「どうだ、問題ないか?」
「俺達はサービスに対して真剣なんだ」

としつこいくらいに延々アピールしてきます。彼らは大真面目で一切悪気はありません。
あのね!!インド人様!!
きっと解らないと思うけど、僕らにとってはあまり構われないのがサービスなんだよ?!!

そして最後に出現するのが…レビューの強要。

「お前、暇か? 暇だったらレビュー書いてくれないか?」
「いいけど…?」
「書いたらオレに見せろよ。悪いレビュー書くなよ。星の数は全部5で決定な!!」

お前はジャイアンか!!!!



■映画はまだまだ健在
ネットの時代になり、CDやDVDなどのパッケージ製品が死につつありますが、映画はまだまだ健在です。ボリウッドの製作者陣たちが真にインド人たちの心をつかむ内容の作品をリリースし続けているってことなんでしょうね。映画の主題歌はいつの時代でも流行歌になり、多くの人々に好まれています。

■ジャイプールにメトロ走る
1990年台にメトロが走っていたのはコルカタだけでした。その後、2005年頃にデリーにメトロが開通し、デリーの人々にとっては欠かせない足になりました。デリーのメトロはすごい勢いで拡大していて、あと10年もするとデリーのほとんどの地域がメトロで結ばれるのではないかと思われます。

ムンバイにメトロが開通したのは一昨年のこと。開業している区間はまだ一部だけですが、これから拡大の予定です。そして今、ジャイプールにもメトロが建設中。ジャイプールのメトロはきっと来年あたりの開通です。僕達、旅行者にとってはいちいち値段の交渉をしなくても良くなるわけで、インドがよりトラベラーフレンドリーな国になりそうです。

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2 Comments + Add Comment

  • 一枚目の写真はお嫁入りのお披露目ですね。珍しい光景に出会ったものです。
    中央の方がこれから花嫁になるひと。左右の方は姉妹でないかと思います。周囲はご近所の人たち。口々にお祝いの言葉を述べています。このあとかまどの神様(?)に報告をする(?)儀式をする段取りになっているはずです。

  • そうですね。お嫁入りのお披露目です。インドパパも何回もインド人の友人の結婚式に呼ばれたことがありますよ。3日位かかるので大変ですが、とってもお互いの絆が強くなります。話題に困ったときも「そういえば君の結婚式では…」って言えば問題無いですしね(^^)

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