インドの結婚式に参加してきました


もう何年も前から結婚するとか、しないとか言い続けてきたアシーシュ君。2年間の間に結婚相手を探したり、家柄が悪いからと言って結婚しなかったり、でも、当の本人はその女の子が好きになって家出するとか言い出したり、結局別れて遠い親戚から別の女の子を探してきたりとドタバタ続き。

正直、傍から見ていると大変面白く、「ずっとこんな事やっていてくれないかなぁ…」なんて思っていたのですが、そんなアシーシュ君にもついに結婚する日がやってきました。そして、昨年のメルマガで書いたのですが、インドパパも結婚式に呼ばれたのです。

最近日本では、結婚式をしない人や、あまり大きくしたくない人も増えていますが、インドでは結婚式は人生の中の最大の行事。4年分以上の年収をつぎ込み、それはそれは派手に行います。

と、言う事で今週と来週はインドパパのインド結婚式レポートです!

1.結婚式の準備

これが今回の新郎新婦

インド人の結婚式の準備はだいたい半年くらい前から、長い時には一年前から始まります。年収の4倍をつぎ込む大事な儀式ですので、その準備にも長い時間がかかります。

まず、結婚式をするとなったら日取りを決めなければいけません。日取りは専門の占星術師に来てもらって占いで良い日を決めます。良い日は個人個人で変わるわけではなく、ある程度インド人全体で共通なので結婚式は特定の日に集注する傾向があります。

暑いインドの事ですから、結婚式は主に冬。夏のインドで、気温40度の中で行われる結婚式もたまにはありますが、あまり一般的ではありません。インドの結婚式シーズンは気温がマイルドになる10月から2月までなのです。

日取りが決まったら、結婚式場を予約します。それと同時に結婚式の業者も手配します。また、親族のやたら多いインド人のこと。インド中から親族が50人、100人と集まりますのでホテルの手配もしなければいけません。一生に一度、そして年収の4年分をかけますので、予約するホテルは普段自分たちが使っているホテルよりも一クラスも二クラスも上のものになります。

インドパパ、一度、

「親族なんだし、そんなにお金かけなくってもいいんじゃないの?」

と聞いたことがあるのですが、

「あいつの結婚式はしょぼかったって言われるんだ」
「一生言われるんだ」
「だから、俺の結婚式の時に予約するホテルは5つ星だ。5つ星を一週間、50人分用意するんだ」

話をしているうちに、アシーシュ君、どんどんヒートアップしていきます。「いやーー、そこまでしなくってもねぇ…」と、部外者の僕は思いますが、本人たちは一生の問題なので真剣です。

ティラキタにも旦那さんがインド人と言う方がいますが、つい先日、彼女の家でも結婚式がありました。

「私、結婚式なんて行きたくないんですよね、親族ばかりでめんどくさいし、お金かかるし」

と言っていたのですが、

飛行機のチケットを用意するから絶対に来い

と言われ、ほぼ強制的にインドに飛んでいきました。チケット用意するまでやらないきゃいけないのか…インド人大変だなぁ…

2.結婚式前日

さてお金と手間のかかる準備期間が終わると、楽しむだけの結婚式がやってきます。インド人の結婚式は通常3日位。でも、長い人だと7日間以上にもなるそうです。

インドの結婚式では、結婚式当日になるまで新郎側と新婦側が会うことはありません。新郎側は新郎側で儀式やパーティーを行い、新婦側は新婦側で行います。だから、一つの結婚式で使う会場は3つ。ひとつは新郎側が、もうひとつは新婦側が、そして本番の結婚式場です。本番の結婚式場は大変広くて豪華ですが、サブ会場の扱いの新郎側と新婦側の会場はそこまで豪華ではありません。通常、同じカーストで共有している集会場みたいなところが使われます。

結婚式前日の朝。新郎側のサブ会場で小さなお祈りがありました。ガネーシャのポストカードを前にし、家族全員が集まります。家族だけでなく、亡くなった親族の写真も並んでいます。



多分、バラモンだと思われる偉そうな人が全体を取り仕切り、お米を撒いたり、甘いお菓子をお供えしたり、亡くなった親族の写真にお祈りしたり、お金で清めたりしていました。これにはきちんとした手順があるそうなのですが、当のインド人もあまりよく順番を分かっていず、バラモンに細かく指示されながら行っていました。


儀式が終わると夕方までお休みです。基本的に結婚式の間はずっと料理が出されるので、お腹が空いたらご飯を食べて、食べ終わったら街をうろうろして…ということの繰り返し。お金は一切かかりません。

新婦側の集会場を出ると外の風景はこんな感じでした。人がいっぱい、サイクルリクシャもいっぱい、ごちゃごちゃしたインドの街です。


さて、夜になるとダンスパーティーの始まりです。ダンスパーティーは新郎側の関係者だけが集まるのですが、それでも200人から300人は集まっていました。結婚式は明日なので、まだみんなの衣装はそんなに派手ではありません。

ダンスパーティーって何をするのかな…僕も踊らされるのかな…全員で踊るのかな…なんて心配していたのですが、蓋を開けてみると親族が踊るダンスパーティーでした。綺麗にサリーを着飾った若い女の子たちがボリウッドのチューンに乗せて大変上手に踊ります。


ダンスパーティーの外では食事が提供されていました。出ていたものはパニプリや、ベジカレー、ラスグラ、ラスマライ、クルフィなどインド人が好きそうなものばかり。インド人がインド人のために行っているパーティーなのですから当然ですが、日本人や外人が好きそうなものは一切ありません。完全純粋インド食100%です。みんな、列を作り、美味しそうにほおばっていました。


3.結婚式当日


結婚式の当日。結婚式は夕方から始まります。新郎は真っ白なシャルワニに着替え、短剣とゴージャスな宝石を身につけ、今まで見たことがないほど着飾っています。建物の外でブラスバンドの音がします。

「ねえ、これからどうするの?」と、アシーシュ君に聞いてみました。
「これからね、まず白馬に乗って結婚式場に向かうんだ」
「白馬! それはレンタルなの?」
「そうだよ。結婚式専用で、必ず牝馬でなければならないと決められているんだよ」



時間が来て、アシーシュ君が白馬に乗り込みます。インド人は元々立派な体格なので、普通の服を着ていてもどことなく風格がありますが、白いシャルワニを着て牝馬に乗ると、まるでマハラジャを思い起こさせます。

先頭に白馬、その後には30台の電飾のパレードが続きます。日本であれば「近所迷惑だから…」と遠慮すると思いますが、インド人に遠慮なんて言葉はありません。太鼓は派手に打ち鳴らされ、トランペットは高らかに鳴り響きます。正直、大変うるさいのですが、インド人たちはこれが普通、とばかり踊ったりお喋りをしたりしながらパレードについていきます。


街を行進すること30分。結婚式場に到着です。結婚式場では既に新婦の家族が待っていました。結婚式場は大変広く、きれいに掃除され、そして多くの食べ物が並んでいます。インドの結婚式は基本的に誰でも入場し、好きに物を食べることが出来ます。だから、結婚式があるというと、時には街中の人が集まり、何千人も集まったりすることもあります。

インドでは「結婚式があるってよ」っていうと「タダ飯が食えるよ」と言う意味だったりもします。そして無料というと人が集まるのは日本でもインドでも一緒。あまり予算がない家庭の場合でも「来るな」とか「食べるな」とは絶対に言えないので、食事をしょっぱくして対抗したりします。だから、結婚式の食事の味を見ると家の格や金もちさ加減がわかったりするのです。

さて、アシーシュくんちの食事のお味は…どれも大変美味しく、素敵でした。「ねえ、アシーシュ君、君んち金持ちだったんだね」なんて言いたくなる感じです。

これはフルーツパーラー。並んでいるものはりんごにキウィ、スイカにパパイヤ、タマリンドなど。綺麗に飾っているつもりだと思いますが、日本人の僕には法事の飾りに見えて仕方ありません。


これはドリンクバー。バーと言ってもインド人は基本的にお酒を飲みませんので全部ジュースです。赤や黄色、オレンジや緑、なんともカラフルです。


これは巨大アイスクリーム製造機。巨大な鉄の円筒があり、その中に塩を入れた氷が入っています。上からミルクやシロップをゆっくりとかけながら、ぐるぐる廻すと、あら不思議、美味しいアイスが出来上がります。


これはインド人の好きなパーンの屋台。屋台と言っても結婚式なので全部無料です。インドパパ、別に好きではないのですが、結婚式に行くといつも半強制的にこのペーンを食べさせられます。中身はビンロウジュと言う木の実が入っていて、口の中がイガイガする感じがします。インド人は好きなのでしょうが、正直、まったく美味しく感じられません。


そしてこれが結婚式場全景。移動式のタンドゥールが用意され、目の前でチャパティが次々と焼けていきます。新郎の家がベジタリアンなので、用意されているカレーはほとんど野菜カレー。豆のカレーや、チーズのカレーはあっても、チキンカレーはありません。


そして、ご飯を食べ飽きた頃に出てくる新郎新婦たち。きれいに着飾っていました。


4.結婚式が終わって

結婚式が終わったら全部終わりかと思いきや、次の日もまだまだ色々続きます。
新郎と新婦を囲んでミニゲーム大会が行われたりします。



これは、新郎の手に巻いてあるラーキー(ミサンガみたいな物)を新婦が片手で取るゲーム。
この他にも水の中のリングを探すゲームなどを一日中やっていました。

「ねえ、アシーシュさぁ、結婚式これで終わり?」と聞くと
「いや、まだ数日あるよ」との事。
「そっか…もう帰っていいかな?」

インドの結婚式は楽しかったのですが、正直、3日も4日も延々やるのでお腹いっぱい。

インドパパ、日本の結婚式の披露宴が2時間だけって、いつも短いと思っていたんですよね。
インドの結婚式に参加してみて、やっぱり2時間だけのほうがいいかなぁ…なんて改めて思うようになりました。
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2 Comments + Add Comment

  • […] 前回の結婚式は白馬に乗って新郎が登場しました […]

  • こんばんは近江京賀です。黄色い象さんのクッションカバー、他、代金今日振り込みました、遅くなってごめんなさい、いつも楽しみにメール見ています!一度は行きたいインドです!フツーの観光ではないインド文化生活がとてもよく伝わってきます、タイのお話も大変面白かったです!私もタイ、チェンマイに行ってチョット違う目線で観察?楽しんで来ました?!お買い物も面白いものイッパイ仕入れておられてメールが届くとじ???っと見ています!梅原さんと旅をしたらインドをインドらしく旅することができるでしょうね?私はモンゴルが大好きで2回行って来ました、1度目はフツーの観光旅行でね、2度目はこれぞモンゴル!!!ステキな案内人を見つけたからね!草原はいいですよ???ウランバートルはダメね、1回見たらもういい感じ、ではまた???!!!

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